石棺です。石棺は蓋と身からなっていますが、これは石棺の身です。上下併せてワンセットのうちの下の方です。つまり亡骸が入る方ですね。
この石棺は、西門の近く、クラブハウスの横にあります。是非、一度見に行って下さい。この話を主任のT先生としていたら、1年担任のN先生が、わざわざ加古川市史第四巻の一部をコピー持ってきて下さいました。
これによれば、加古川市内には棺蓋63例、棺身82例が存在し、これは近隣市町村と比べ、かなり多い方ようだ。本校の石棺も紹介されている(p.377)。市内では最も大きい棺身だということである。T校長先生曰く、県立考古博物館に知られたら、持って行かれてしまう…、とか。
材質は、やはり竜山石が多いようで、この棺身にように、水抜き穴があけられ、手水鉢に利用されたものも多いそうだ。
個人的に面白いと思ったのは、石棺は市内の古墳群周辺に分布するので、古墳群からそれほど移動していない(市史)、という説だ。本校の棺身もそれほど遠くないところから持ってこられたものであろう。
これを知った時、地理の古典的エピソードを思い出した。ロンドン市内でコレラが流行した際、ある医師が、患者の発生地点を市内地図上に落としたところ、患者の分布から、原因となる井戸を特定することができた、という話である。分布論は非常に有効な考え方だな、と実感した次第だ。
(14号)
0 件のコメント:
コメントを投稿