2009年8月23日日曜日

理系バカと文系バカ

 本の紹介である。
「理系バカと文系バカ」竹内薫著 PHP新書(720円)
 次にあげた10の質問に「YES」「NO」で答えよう。
①血液型診断や占いが気になって仕方ない
②取り扱い説明書は困ったときにしか読まない
③たいていのことは「話せば分かる」と信じている
④ダイエットのために「カロリーゼロ」のドリンクをがぶ飲みしてしまう
⑤アミノ酸、カルニチン、タウリンなどのカタカナ表示にすぐ飛びつく
⑥「社会に出ると因数分解なんて必要ない」と言ったことがある
⑦「インド式数学」を学ぶより、電卓を使えばいいと思っている
⑧何でも平均値で物事を判断してしまう
⑨抗菌コートのトイレじゃないと入りたくない
⑩物理学と聞いただけで「難しくて分からない」と思ってしまう

続いて
①できれば他人と深く関わりたくない
②新型、最新テクノロジーの商品を買うために徹夜してでも並ぶ
③相手の関心のないことを延々と話す―女性との会話も下手
④独善的で、いつのまにか相手を怒らせている
⑤「もっと分かりやすく説明して」と、よく言われる
⑥分からないことは、何でもネットで検索してしまえ
⑦感動するポイントが人とズレている
⑧文系より理系の方が人間として「上」だと信じている
⑨UFOや心霊現象について語ることは犯罪に近いと思う
⑩意外とオカルトにハマりやすい
このチェックの解説は、本書で読もう。
 
 ①~⑩まで2種類の質問を用意しましたが、どちらが「理系バカ」、「文系バカ」かは考えれば分かるでしょう。
 そもそも、日本人は理系と文系に分けることが多いように思います。その端緒は実は、高校教育界にあるのではないでしょうか。例えば、進路指導をするときに、文系にいくか理系にいくかという指導がまず1年生のときに行われます。さらに理系・文系でクラスを固定し、途中クラス上文転、理転はできないことになっています。受験上、できないことはないですが、困難を伴います。かつては、理系クラスの担任をもった時には、「文転すると浪人覚悟だよ」などといって、脅したりしていました(笑)。
 理系と文学部の両方に学科がある地理学を学び、自然地理と人文地理の間を行き来している私としては、理系だとか文系だとかいっている場合ではないのであって、理系的発想も文系的発想もどちらも重要なのである。むしろ両者を横断的に行き来できる思考力こそ大事なのである、と思っています。
 近年、京大の理系学部で国語が入試に加わったり、国公立経済学部で数学が入試科目になったりしていますが、これが単なる理系重視ではなく、文理融合を目指す動きであってほしいものです。

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