前回、職員室2年学年団から、2組教室へ行く際、西回りが近いにもかかわらず、東回りの先生が多いと述べた。その具体的データを示したい。職員に個々のインタビュー調査をした結果を以下に示す。
・K先生:3組は東回りと西回りで半々
・K先生・F先生・M先生:2組は東回り、3組は西回り
・T先生・T先生:3組は東回り、4組は西回り
・O先生:1組は東回り、2組は西回り
他の先生は、2組には行かないと解答。
では、2組生徒はどうなのだろうか。教室から職員室の学年の先生に会いに行くとき、どちら回りで行くかを尋ねた。その結果、西回りが12人、東回りが20人、行かないが1人となり、職員と同様の傾向を示している。つまり遠回りをする生徒が多そうだ。この点については、検討をおこなう。それは職員室からの中間点が前入り口から6歩のところだということを考慮する必要があるだろう。教室の前後の入り口幅は9歩なので、6歩というのは、教室(教壇を除く空間)を2:1に分割するラインである。このラインを教室に延長したものが、職員室学年団との等距離線である。2組生徒の座席が教壇を除く教室空間に、均質に分布すると仮定すると、40人を2:1に分けるように圏域が形成されるはずである。すなわち、東回りには13.3人、西回りには26.6人程度に分かれるはずで。これが理論値である(この場合、調査の精度上、少数以下第一位に意味はないので、13人、27人と考える)。
ところが、表に示したように、2組生徒への調査の結果は、逆の人数を示している。やはりここには、距離感覚を狂わせる要因、遠回りしてでも得られる正の要因、または近道に存在する負の要因があると考察できる。
自然科学においては、理論の構築やその精緻化にそれなりの意味があるが、人間を扱う社会科学(人文科学)においては、考慮すべき条件が多すぎで、理論化が困難である。そこでこのような単純モデルと現実との残差を追究することが重要になってくる(このことは前号で前述した)。
そこで、学年の先生に尋ねると、
・中庭を通して、HR教室が見えるので、感覚的に狂うのではないか。
・行きと帰りで一周する事が多い。近さは意識していない。
・3年生の学年団になれば、座席位置の関係で、必ず東回りになるのだが…
などの意見がみられた。
筆者の意見としては、生徒との対面接触を避ける。あるいは混んでいる廊下を避けるため、できるだけHR教室前を通らないのではないかと考えと、上記意見にあるように、職員室の窓から2組が東側に見えているので、そちらに歩いてしまう、という意見に賛成である。
さて、この研究に何の意味があるのか、という問題である。最初に以下の問題を考えて見ましょう。
「長い砂浜の海水浴場があります。浜辺には海水浴客が均質(ランダム)に存在しています。その浜辺にアイスクリーム屋さんが屋台を出しました。どこにお店を出すのがいいかと聞かれれば、中央部だと答えるでしょう。
海岸
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アイスクリームの屋台
この部分はワープロで作ったのでうまく反映されていません(多謝)
さて、この浜辺にもう一軒のアイスクリーム屋さんがやって来て、お店を出そうとしています。どこに出すのが良いのでしょうか。またこの立地戦争は、最終的にどうなるのでしょう(最終的に2軒のお店はどこに立地しますか)。二店の商品種類、品質、値段は同じです。ハンサムなお兄さんが店員だとか、オマケなどの非価格競争はないものとします。
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