2008年5月7日水曜日

ルーチンスの水がめ問題 解説

 さて問題は解けたでしょうか。9は少し手こずったかもしれませんが、後は楽だったのではないでしょうか。式は9がD=B-A-11Cで、残りの問題はD=B-A-2Cとなっています。これが普通の人の解答です。
 実は問題6以降は、2つの水がめを使うだけで、くみ出せるようになっています。問題6はD=B-7Cです。しかし、問題7と9はD=A-C、問題8と10はD=A+Cで答えが出ます。6を水がめを3つから2つにしたところで、作業が本当に楽になるかどうかは微妙なところです。しかし問題7以降は、2つの水がめにした方が明らかに楽です。
 しかし、問題1から6まで、1つのやり方(D=B-A-2C)でうまくいった人は、なかなか方法を変えることができません。実際やってみていかがだったでしょうか。問6で、すぐに気付いた人はまれに見る思考の柔軟さの持ち主です。これが有名なルーチンスの水がめ問題といわれるものですです(引用:『ごまかし勉強 下』 藤澤伸介著)。ちなみに、友人のある数学の先生は問題6から2つの解答が頭に浮かんだそうです(素晴らしい)。
 以上の実験と説明から、「うまくいった体験」は強烈で印象が持続することがわかります。最近、生徒と面談をして感じる事は、「学習において中学校までの成功体験が、高校に入ってからも持続しているのではないか」ということだ。具体的に述べると、高校に入り勉強量・授業進度・学習の目的などの環境が変わったにもかかわらず、「中学校の時は日常的には宿題だけをしていて十分だった」とか、「テスト前勉強でそこそこ点が取れた」という成功体験があると、その成功体験によって勉強法を変える事が出来にくい、ということである。 ここまで述べれば、私が何を言いたいかは察しがつくでしょう。正しい勉強法でごまかさないで学んで欲しいということです。では、正しい勉強法とは何か、これについては、徐々に考えていきたいと思います。面談をしていると、「今、勉強法を模索しています」とう生徒が結構います。是非、考えてみて下さい。

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